ミッション

家保研は、家族や保育のよりよいあり方を考える研究所です。
それぞれにちがう個性をもつ家族や園が、すてきな作品として
成長していく手助けとなる研修などを行なっています。

よりよい子育て、保育をめざす人を応援したい

今、教育の世界中の国々で、最も注目されている教育は、実は保育・幼児教育です。


最大の理由は、子どもの育ちに乳幼児期の過ごし方が大きな意味を持っていることが最近の研究でわかってきて、乳幼児期の保育・幼児教育がとても大切だと認識されてきたことですが、もうひとつ、社会の大きな変化で、子どもは、地域の豊かな自然や人間関係の中で育つことが困難になり、小さな核家族の中で、母親だけが孤立した状態で子育てをせざるを得なくなっている、ということも大きな理由です。家庭を本気で応援していかなくては子どもを産むこと自体をみな不安に思うようになってきているのです。

家保研は、そうした状況を念頭に、今期待されている保育の内容や質をどう実現していくか悩んでおられる現場の先生方を応援し、また、何の練習もなくいきなり本番!という育児の中で悩みを無数に抱えている家庭を支援するためにつくられました。その内容は既成の知識を伝えることではなく、みなさんと、その園、その個人に沿ったやり方を、ご一緒に考えながら創造していく手法を取ります。だからデザインであり、共同の作品作りと考えています。できるだけ現場のニーズに合った研修メニュー用意させていただくつもりですので、ご遠慮なくご要望をお伝えください。

汐見稔幸と和恵が立ち上げた研修組織ですが、共感してくださるベテランの方々がたくさん講師として待機していてくださっています。ご連絡をお待ちしています。

家保研 コンセプトビデオ

  • 汐見稔幸

    子どもっておもしろい!
    年長さんになるまでに、ここまでできるようにしなくては。「何歳までに身につけるべき」という目標に追われ、おとなの指示通りに動く「良い子」をつくる保育になっていませんか? ひとりひとりちがう、子どもの人間性をのばしていく。それが本来の保育です。そのような保育をしていくと、毎日が子どもひとりひとりのおもしろさを発見する日々になります。子どももおとなもともに育っていく、人間性が深まる、豊かな保育をめざしませんか?

  • 汐見和恵

    自分の気持ちの変化は自分でわかるよ
    5歳児のSちゃん、2歳児クラスに入園したときから手先が器用でハサミを使って器用にいろいろなものをつくるのが大好きです。毎日、製作コーナーで折り紙、毛糸、包装紙、牛乳パックなどいろいろな素材を組み合わせて物をづくりを楽しんでいます。最近はビーズやスパンコールなどの細かいもので、自分のイヤリングやバッグなども作っています。そんなインドア派のSちゃんに大きな変化が生まれました。1年前から子どもたちが夢中になっているハンターごっこ。今までは友達に誘われても入ろうとしなったのですが、最近は自分から友達を誘って入ります。彼女の心にどんな変化が起こったのか、聞いてみたくなりました。 

    私「Sちゃん、最近ハンターごっこに入っているね。前は入らなかったけど、何か気持ちが変わったの?」

    S 「そう。気持ちが変わった」

    私 「そう、どんなふうに変わったの?」

    S 「前は走るのが好きじゃなかったから入らなかったけど、今は足が速くなったし、みんが楽しそうだから入ったの」

    私 「そうなのね。自分の気持ちが変わったのが、自分で分かるの?」

      すると、ほかの子どもたちも次々に「うん。わかるよ」

    O 「私は前はけやきの人たちがいたから、面白かったけど、今はそうでもない」

       (けやき組の人たちはこの春に小学校へ入学しました)

    A 「あたしはさくらが入ってきたから、捕まらなくなって面白くなった」

      (さくらの人はこの春の新入園の3歳児)

    子どもたちは自分の身体能力や力量をよくしっています。自分の能力でこのグループの活動に入ると自分が楽しめるのか、ちょっと自分にとってはハードルが高いのか、自分で判断するのですね。自分の能力の向上を自覚して自らチャレンジするんですね。そんな自分の心の変化まで自分で分かっているのです。

  • 汐見和恵

    心はどこにあるの
    この春に年長組になったこどもたちと自分の気持ちについて話が進みました。「うれしい気持ち」「楽しい気持ち」「電車にのっているような気持ち」???「はずかしい気持ち」・・・なんだか誇らしいようなわくわくするような楽しくてうれしいのかな。気持ちの入っている”心”は心臓のあたりにあると思っているようです。知識として知っている子は、脳の中にあるんだよと言います。みんな、自分の気持ちは分かるようだけど、友達の気持ちは分かるの?はっきりした返事がありません。じゃあ、お母さんやお父さんの気持ちは?ある子が、「わたしは、ほぼほぼ分かる!」へぇ~、なんで分かるの?「だってわたしのおなかのあたりにお母さんやお父さんの顔が浮かんでくる」そうなんだ。

  • 汐見稔幸

    子どもの育ちに合った環境を
    ハイハイをしている子と立ち始めた子とでは、見えている世界がまったくちがいます。保育者が子どもの視点になってみれば、わかることです。おとなの目の高さでなく、子どもの目の高さでレイアウトを考えましょう。壁にはる写真、おもちゃ置き場の取りやすさ。写真を破ってしまうからとか、おもちゃを散らかしちゃうからと遠ざけるより、貼った写真を大事にすること、おもちゃを自分で出したりしまったりすることを教えてあげましょう。

  • 汐見和恵

    いつなんどきでも、子どもを否定しない
    保育園や家庭が、子どもがどんな時にも否定されない、安心できる場であると、子どもはのびのびと育ちます。園庭でありの行進をじーっと観察している子を「はい!おやつの時間だから、早く中に入って!」とせかしたりする場面、保育園ではよくあります。今、熱中していることを、気の済むまでさせてあげましょう。その子のしたいことを、あたたかく見守ってあげましょう。

  • 汐見稔幸

    外からルールで縛るのなく、子どもがつくる秩序を信じる
    大人がルールをつくり、子どもがそれを守る。そのようにしつけるのが保育者の役割だと思っていませんか? 子どもたちは、満たされていれば、自分で区切りやけじめをつけ、秩序をつくりだす力をもっています。「ブランコは10乗ったら交代ね!」と決めて守らせるのでなく、満足するまでさせてみましょう。満足すれば、自分から区切りをつけて、お友だちに譲ることもできるんですよ。

  • 汐見和恵

    不思議なもの、きれいなもの大好き!
    子どもはキラキラ光るきれいなものが大好きです。ネックレスは禁止、保育者は動きやすいジャージとエブロン姿という保育園が多いですね。ネックレスは抱っこした子が引きちぎるかもしれない。最初からそう思い込んでいませんか?きれいなものに興味をもつ、うっとりする、触ってみる、感覚を確かめる。それも子どもの感覚の発達につながります。「どうぞ、触ってみてね」と言えば、0歳の子どもでも小さな手でそっとさわってくれます。子どもって素敵です。

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